ここまで、現在の収支を確認し、持っているお金について整理し、かつ将来会社や国から受け取るであろうお金についても情報を得てキャッシュフロー表に書き込みました。
老後2000万円問題
さて、キャッシュフロー表を見てみて、どう思いましたか?
- 70歳で、すでに赤字になるんだけど
- 自分の夢を詰め込んだライフイベントを組み込んだけど、予算的に無理そう
そんな声も聞こえてきますね。
ライフイベントを考える際に、なるべく制限を外して夢や目標を考えましたけど、結局無理なのか、と。
結局、老後2000万円問題ってやつは存在するんだなと。
老後2,000万円問題とは、金融庁の金融審議会「市場ワーキング・グループ」による「老後20~30年間で約1,300 万円~2,000 万円が不足する」という試算を発端に物議を醸した、「いかに老後の資金を形成するか」をめぐる問題のことです。
ただ、いくら稼いでいるか、どれだけ使っているか、そしてどれだけ貯められているかというのはもちろんですが、個々の状況で全然違いますよね?
- 賃貸かマイホームか、はたまた定年後実家に帰れるか
- ローンが終わっているか否か
- 専業主婦、共働き
- 子供がいる、いない
- 子供の教育費が終わっているか終わっていないか
それぞれの夢や希望もありますね。
- 毎年夫婦で旅行したい
- それも海外旅行だ
- シニアだからビジネス使いたいよね
- 大学で勉強し直そうと思っている
- 趣味の音楽を本気でやろうと思っている
- 起業しようと思っている
- カフェをやりたい
- 田舎に引っ越したい
・・・・などなど
老後2000万円問題は、本当に個々人、人によるんです。
価値観と現実のバランス
キャッシュフロー表が赤字になるなら、できることは「収支の改善」です。
つまるところ
- 稼ぎを増やす。つまり給与を増やしたり、働く期間を増やすなど。
- 支出を抑える。つまり保険の見直し、通信料の見直し、サブスクの見直しを行うなど。
ということになります。
シニアでも給与の高いところに転職する。
シニアでもなるべく長く働く。
やはり、稼ぐということは大きいです。
また、夢のライフイベントのために無駄な支出を抑える努力、これもとても大切なことです。
高年収だけど支出がザル、という人はたくさんいます。
自分が何をしたいか何をしたくないかをはっきりさせないと、夢が夢で終わってしまいます。
不要なお金のために人生の残り少ない時間をつかって、好きでもない仕事を続けないといけなくなったりします。
「黄金の15年間」
60歳からの75歳までを「黄金の15年間」と呼び始めたのは、「定年後」で有名な楠木先生とのこと。
会社人生を終え子供も育て終わり、とはいえまだ後期高齢者ではないし健康でエネルギーもあります。
まだまだこれから頑張れるぞということですね。
実際、国はこの期間の高齢者には働いてほしいと思っていますよね。
働き手不足もあるし、年金制度の健全な存続のためにも、元気なうちは稼ぎ手であってほしい。
ただ、この黄金の15年を、いやいや働くことはないんじゃないか、と思います。
現役時代は残業も厭わず働いていた方も、残業とは言わないが実質24時間勤務だった管理職の方も、「黄金の15年」はもう少し違う働き方を考えていいのではないでしょうか。
「老後の三分法」
経済コラムニストの大江英樹さん、確定拠出年金アナリストの大江加代さんご夫妻はこのようにおっしゃってます。
- 日常生活費を賄うのは公的年金と企業年金
- 自己実現費と一時出費を賄うのが60歳以降に働いて得る収入
- 医療・介護等費用の原資を退職金や自分が持っている金融資産で賄うようにする
これまでで確認したように、あなたには資産があり、今後年金と退職金がもらえます。
であれば、「自己実現費」「一時出費」のためだけに働けばいい。
この場合、おそらくガンガンはたらく必要はないので、月10万円程度稼げる仕事をすればいいのではないかと言われています。
どうですか、ちょっと気が楽になりませんか?
老害と言われながら嫌な仕事を続けるのではなく、好きな仕事、興味のある仕事に手を出してもよさそうじゃないですか?
しかもキャッシュフロー表も改善するんです。
価値観と現実のバランスがとれませんか?
ちなみに在職老齢年金と言って、給与額が多いと年金が減額されますが、個人事業主だと年金は減額されないらしいですよ。
これは一考の余地がありますね。
コメント