社内で定年前のシニア向けに、キャリア研修を実施しています。
その際、冒頭にお話ししています。
「第2の人生、楽しみですよね」
・・・とはいえ、ほんとうは心配事だらけですよね。
年金足りるのかな。
いつまで働こうかな。
家のローン残ってるな。
うちは子供がまだ小さくて。
介護ってどう考えたらいいのかな。
・・・
不安は書き出していったら終わらないですよね。
誰も考えてくれない
キャリアというのは馬車の轍を示す言葉だったそうです。
自分の人生の来し方を示すもの。それがキャリアです。
厚生労働省も「個人主体のキャリア形成」をしっかり明記しています。
曰く「「キャリア」とは、一般に「経歴」、「経験」、「発展」さらには、「関連した職務の連鎖」等と表現され、時間的持続性ないし継続性を持った概念として捉えられる。」
「「キャリア形成」とは、このような「キャリア」の概念を前提として、個人が職業能力を作り上げていくこと、すなわち、「関連した職務経験の連鎖を通して職業能力を形成していくこと」と捉えることが適当と考えられる。」
昔はキャリアとは会社が用意してくれる「キャリア・パス」のことでした。
けれども、今は「自分で見つける自分の生きる道」になってるんです。いつの間にか。
今の若い子たちはこの考え方を念頭に学校からキャリア教育を受けてるけれど、40代以上のサラリーマンはそんな教育を受けていないので、「今頃そんなことを言われたって、キャリアなんてどう考えればいいの?」ってなもんですよ。
それで考えたのが、旅行プランです。
旅行に行く前に何を考えます?
たとえば・・・
- どこに行こう
- 予算どれくらいかな
- どこに泊まろう
- 誰と行こう
- 何をしよう
- 何を持っていこう
いろいろ考えると思うんですけど、まず最初に、自分の持っているものの範囲から考えません?
つまり、いくら使えるか、とか。
自分の能力、語学力だったり体力だったりこれまで何をしてきたか、とか。
貯金がこれくらい貯まってるからビジネス使いたいな、とか。
体力があるからダイビングやってみようかな。ホエールツアーとかいいな・・・とか。
・・・そう考えると人生プランも、まずは何を持っているか把握するための棚卸しから始めてみたらいいんじゃないでしょうか?

というわけで、まずはお金の棚卸です。
何をおいても、まずは使えるお金がどのくらいあるのか調べる必要がありますね。
旅行に行くときだって、まずは貯金を調べますよね。同じです。
お金に関することは、まずは日本FP協会のホームページを見てみましょう。
日本FP協会って家計に関する分析ツールを無償で提供してるんです。使わない手はありません。
ということで、こちらを作っていきましょう。
家計の収支確認表
幸せな人生とか、満ち足りた老後とか、あるいは充実した人生とか、いろいろ人によって望むものはあるでしょう。
それらの土台は家計の収支です。
どれだけ稼いでいて、どれだけ使っているのか、それを知ることから始まります。
ここで問うているのは稼ぎや消費の高低ではありません。
ファクトとして、いまどれだけ稼いでいてどれだけ使っているのか調べることが大切です。
まずはFP協会HPに公開されている、家計の収支確認表のエクセル版をダウンロードしてください。
「ページ内リンク-家計の収支確認表」リンクから、PDF版とエクセル版が選べますが、断然エクセル版が便利です。

こちらでは夫、妻、それぞれのデータを記入する欄があります。
結婚している場合はふたりで話し合いながらデータを作成していくことが大切です。
共働きの場合で「家のローンは旦那さん」「食費などは奥さん」と、使用用途で分けている方もいらっしゃるようですが、そうすると全体が見えなくて抜け漏れが出てきます。
「年間の収入」欄では、天引きされている「所得税」「住民税」「社会保険料」などを無視して、手取り金額だけの記入で構いません。
これからのことを考えると家計簿必須
第一の難関は支出です。
一か月ほど支出を書き留めて、それを12倍して年間分を出すということで、とりあえずはいいでしょう。

とはいえ、「とりあえずのデータ」を使っていると、最終的に得られる分析も「とりあえず」です。
とりあえずの分析結果から得られるのは、「とりあえずの安心」なんですよね。
・・・つまり、めっちゃ不安になるんですよ。
一生懸命支出を書き留めて、データを集めて分析したのに!
となると、やはり家計簿をつけるしかありません。
私の場合は母親の影響もあり、子供の時からお小遣い帳を、一人暮らしを始めた時から紙の家計簿をつけ、いつのころからかパソコン用家計簿ソフトを購入し、そして今はマネーフォワードMEを課金して使っています。
むかしむかし紙の家計簿をつけていたころから考えると、簡単すぎてつけてる感じがしないくらい簡単です。
銀行やクレジットカード、証券口座とも連携できるので、いま、自分がいくら持っているか、カードの負債がどれだけあるのかはっきりわかります。
また、「このお店で買うならこれは食費ね?これは文房具ね?」と、勝手に費目を判断してくれるので、「家計簿をつける」というアクション自体が最小限になります。
もちろん、家計簿をつけたことのない人には設定もわけわからんと思いますが、しばらく続けたらどのように設定したらいいのか見えてくるでしょう。
マネーフォワードMEで収入・支出を完全に把握できれば、家計の収支確認表の記載は簡単です。
月ごとにデータをcsvなどでダウンロードできるので、正確な数字で作成することができます。
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