前のセクションで働き方の選択肢をお話ししましたが、ここで一つ大切なことをお伝えしたいんです。
それは、単なる収入のためではなく、「誰かに感謝される仕事」こそが、真の自己承認につながるということです。
シニアが働く本当の理由
実は、過去1年間に成長を実感したというシニア就業者に理由を尋ねると、「仕事にやりがい・意義を感じることができた」が41.9%と最多なんです。お金だけが目的じゃないんですね。

シニアになっても働く日本人・・・と、よくテレビでも取り上げられていますが、このように健康やコミュニケーションのために働いている方もたくさんいます。
- 「パートの清掃の仕事だけど、利用者の方に『ありがとう』と言われると嬉しくて」
- 「在宅でライティングをしているが、読者からの反響をもらうとやりがいを感じる」
- 「地域の子どもたちに勉強を教えるボランティアが生きがいになった」

「自分に何ができるかわからない」という方は、これまでの人生で「人から感謝されたこと」「褒められたこと」を書き出してみてください。そこにヒントが隠れています。
在宅で「ありがとう」がもらえる仕事
在宅ワークって、一人でパソコンに向かう孤独な作業というイメージがあるかもしれません。でも実は、人とのつながりを感じられる仕事もたくさんあるんです。
具体的な例:
- オンライン講師:料理、手芸、語学など、得意分野を教える
- 地域情報ライター:住んでいる街の魅力を発信する
- カウンセリング・相談業務:人生経験を活かした悩み相談
- オンライン事務サポート:小さな会社の経理や事務を手伝う
たとえば30年間の主婦経験を活かして「家計管理のオンライン相談」を始めたとしましょう。
月収が3万~5万円程度であっても、「本当に助かりました!」というメッセージが届くと「自分が必要とされている」実感を得られるのではないでしょうか?
地域とのつながりを大切にした働き方
ちょっと話が脱線しますが、「プロボノ」という言葉を聞いたことはありますか?
これは「公共善のために」という意味で、スキルを活かしたボランティア活動のことです。
- 週3日のパート+週1日の学習支援ボランティア
- 在宅ワーク+地域の高齢者見守り活動
- 短時間事務+公民館での講座講師
こんな組み合わせで、収入と社会貢献の両方を手に入れている方もいらっしゃいます。

地域活動に興味がある方は、まず市役所の「生涯学習課」や「市民活動支援センター」に相談してみてください。意外な活動の場が見つかるかもしれません。
わたしも市のプロボノ活動に応募したところです。受かるといいのですが・・・。
「役割を持つ」ことで整う心と体
こちらは女性に絞った調査ではありますが、シニア世代は「働くこと」を「自己実現・自己肯定感を得る手段」「生きがい・やりがい」ととらえる方が多く前向きにとらえているという結果です。
これって、すごく大切なことだと思うんです。定年後に「やることがない」「社会から必要とされていない」と感じてしまう方も多いのですが、週に数日でも「役割」があることで:
- 生活リズムが整う:起床時間、身だしなみへの意識
- 脳の活性化:新しいことを学ぶ、人と会話する
- 身体の健康維持:適度な緊張感、外出の機会
- 精神的な充実感:「今日も一日頑張った」という達成感
仕事で得た新しい話題や体験が、家庭にも良い影響を与えているんですね。
「完璧でなくていい」という新しい価値観
60代からの働き方で大切なのは、「完璧を求めない」ことです。
20代・30代の時のように、キャリアアップや昇進を目指す必要はありません。
- 「今日はお客さんに喜んでもらえた」
- 「新しいスキルが少し身についた」
- 「同僚と楽しい会話ができた」
- 「家計の足しになった」
こんな小さな満足感の積み重ねが、実は大きな幸福感につながるんです。

年齢を重ねたからこそ持てる「落ち着き」「人生経験」「相手を思いやる心」は、若い人にはない貴重な財産です。
存在意義を見つける3つのステップ
最後に、自分なりの「存在意義」を見つけるための簡単なステップをご紹介しますね:
ステップ1:「好きなこと」「得意なこと」を書き出す
料理、掃除、人の話を聞くこと、字を書くこと…何でもOKです。
ステップ2:「誰の役に立てるか」を考える
例:料理が得意→一人暮らしの高齢者、忙しい子育て世帯
ステップ3:「小さく始める」
いきなり本格的に始めなくても、まずは友人・知人から。口コミで少しずつ広がります。
重要なのは、「自分が楽しみながら、誰かの役に立てる」ことです。
これが見つかった時、きっと「まだまだ私にもできることがある」という自信が湧いてくるはずです。
定年前後のお金や仕事について、ご相談をお受けしています。
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