前のセクションで「月5〜6万円の穴を埋める必要がある」とお話ししましたが、「60代から働くなんて現実的じゃない」と思っていませんか?実は、今の時代は違うんです。
再雇用という安心できる選択肢
まず知っておきたいのが、現在の職場での再雇用制度です。
再雇用後の給料は定年前の「6〜7割程度」が最も多く(34.8%)、確かに収入は下がります。
でも、これって悪いことばかりじゃないんです。
「給料が下がる=責任も軽くなる」ということ。
「管理職を外れて、久しぶりに定時で帰れるようになった。給料は下がったけど、精神的には楽になった」
「副業やプロボノ(地域貢献)に避ける時間が増えた」
と、楽しそうにしている方もいらっしゃいます。
再雇用のメリット:
- 慣れた職場で働ける安心感
- 福利厚生が継続される場合が多い
- 65歳まで安定した収入が見込める
- 新しい人間関係を築く必要がない

「再雇用の条件が厳しそう」と不安な方は、まず人事部に相談してみてください。最近は労働力不足で、むしろ「続けてほしい」と言われるケースが増えています。
嘱託・契約社員という新しいスタイル
60代前半の従業員の中で、正社員が41.6%、嘱託・契約社員が57.9%となっており、むしろ嘱託・契約社員の方が多いんです。
嘱託・契約社員の魅力は何といっても「柔軟性」です。
週3日勤務、短時間勤務、在宅ワーク併用など、ライフスタイルに合わせた働き方が選べます。
実際、私の会社でも週3日の嘱託として働きながら、残りの時間で副業やボランティア活動をされている方もいます。
在宅ワークという新しい可能性
ちょっと脱線しますが、コロナ禍で一気に広がった在宅ワーク。
実は、これがシニア世代にとって大きなチャンスになっているんです。
求人サイトIndeedでは「60歳以上在宅」で数多くの求人がヒットします。
数年前なら考えられなかった規模です。
在宅ワークのメリット:
- 通勤時間がゼロ(これ、本当に大きいです!)
- 自分のペースで働ける
- 体力的な負担が少ない
- 家事との両立がしやすい
資格やスキルの学び直しで選択肢を広げる
「60代から新しいことを学ぶなんて」と思うかもしれませんが、実は今がチャンスなんです。
時間に余裕ができた今だからこそ、じっくり学ぶことができます。
人気の資格・スキル:
- 簿記:経理事務、会計補助の求人が豊富
- 介護初任者研修:需要が高く、年齢を問わない
- パソコンスキル:在宅ワークの幅が一気に広がる
- カウンセリング関連:人生経験を活かせる
いったん退職された方であれば、公共職業訓練に通うことも視野に入れられるでしょう。
公共職業訓練では受講手当や通所手当(交通費)が受け取れるんですよ。

在職中に新しい分野を勉強される場合は、オンライン講座から始めてみてください。自分のペースで進められるので、プレッシャーを感じることなく学習できます。
「何を選ぶか」より「なぜ働くか」
ここで大切なのは、単に「お金のために働く」だけではないということです。
60歳以上で働いている方の多くが「やりがい」「社会とのつながり」「自分の存在価値」を求めています。
週3日のパートでも、在宅ワークでも、「誰かに必要とされている」「自分の経験が役に立っている」という実感が得られれば、それは立派な社会参加です。
実際、在宅ワークは「やりがい」が得られ、これまで蓄積してきた経験や知識を活かすことができるという調査結果もあります。

「自分に何ができるかわからない」という方は、まず「これまでの人生で人から感謝されたこと」を書き出してみてください。そこにヒントが隠れています。
重要なことは「完璧を求めない」ことです。
- 週3日だけ働いて、他の日は趣味や家族との時間を大切にする
- 在宅ワークで月3万円稼いで、残りは節約でカバーする
- 再雇用で働きながら、将来に向けてスキルアップする
どれも「100点満点」ではありませんが、「自分らしい働き方」を見つけています。
60代からの働き方は、20代・30代の時とは違います。
でも、だからこそ「自分らしさ」を大切にできる年代でもあるんです。
定年前後のお金や仕事のご相談をお受けしています。
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